今回は既存住宅の現況確認(点検)の様子をお伝えします。
点検を実施した現場は、弊社で平成10年に新築工事をさせて頂いたお宅です。
点検部位は主に「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」です。(具体的には、屋根、外壁、開口部まわり、基礎、土台、柱・梁、小屋組みなど)
新築から約12年が経過した建物の天井裏や床下はどのような状態になっているのでしょうか。
まずは外回りから点検開始。基礎コンクリート、外壁、軒天井、屋根などを目視で確認します。
基礎のひび割れや軒天井の雨漏り跡などは無く、良好な状態が保たれていました。
ただ、建物外部では朝夕の強い日差しが当たる東側と西側外壁の色褪せと目地シーリングの切れが確認されました。
遠くからでは分かりにくいので目地の部分を拡大してみると、このようになっていました。
このまま放置しておくと雨水の浸入経路となってしまいますので、シーリングの打ち替えが必要と判断されます。
(こちらの現場では、後日外部の塗装とシーリングの打ち替え工事を施工する予定です)
外部の点検が終わると次は点検口から小屋裏に入っていきます。
上棟のときに取り付けた棟札がきれいに残っていました。
雨漏り跡や梁のたわみなどがないか目視で確認していきます。
小屋裏にも異常は無く、良好な状態が保たれていました。
アップでもう一枚。
灯りを照らしながら野地板、垂木、母屋など屋根まわりを点検しているところです。
小屋裏の次は床下に潜ります。
コンクリートのひび割れ、白蟻(蟻道)、腐朽などが発生していないか入念に確認します。
構造的な弱点となりやすい床下換気口まわりの基礎コンクリートを目視で確認。ひび割れ等は無くここもOK。
床下もとくに異常はありませんでした。
床下の写真ももう一枚。
湿気もなく土台などの木材もきれいな状態です。(木材が黒く見える部分は新築時に防蟻処理を施した跡です)
床断熱材の脱落などもなく、ここもOK。
点検の結果、現在のところ「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」に著しい劣化や損傷がないことが確認されましたが、一部外壁目地(シーリング)の「痩せ」「切れ」および外壁の色褪せが見られました。
こちらの現場では、「既存住宅流通活性化等事業」を利用して、外壁目地の防水工事(シーリング打ち替え)と外部塗装工事を実施する予定です。
この「既存住宅・・・事業」とは国の補助事業で、大まかに説明しますと、昭和56年6月1日以降に建築確認を受けて、平成12年3月31日までに完成した住宅について、『リフォーム工事+保険法人の検査合格・リフォーム瑕疵保険加入+住宅履歴情報の蓄積』の3点セットを備えることで、リフォーム工事費用の最大25%(上限100万円)が補助金として交付されるというものです。(詳しくは国土交通省のウェブサイトをご参照下さい。)
なお、リフォーム工事は国土交通省から補助事業者として採択された業者(工務店、リフォーム会社など)が施工する必要があります。もちろん私たち昭和住宅も補助事業者として登録されております。
現在、こちらの現場の防水工事等について補助事業の申込み手続き中ですが、この補助事業の対象となるための要件として、リフォーム工事後の「特定構造・防水検査」というリフォーム瑕疵保険法人が実施する検査に合格する必要があり、今回はそれに先立つ自主検査を行ったというわけです。これで万全の体制で「特定構造・防水検査」を受けることができます☆
もうしばらく先(少し涼しくなる9月中旬以降)になりますが、工事が始まったら施工中の様子もお伝えしようと思います。
*以下の文章は後日追記しました*
リフォーム工事の完了後、平成22年10月18日に(財)住宅保証機構による現場検査が実施されました。詳しくはブログ記事『リフォーム工事現場で「特定構造・防水検査」を受検しました。』をご覧下さい。
投稿者:圓佛 明