先々月のブログにジャレド・ダイアモンドさんの本のことを書きました。
(こちらです→「ジャレド・ダイアモンドさんにはまってます」)
そして、『文明崩壊~滅亡と存続の命運を分けるもの~』をようやく読み終わりました。
この前に読んだ『銃・病原菌・鉄』は人間社会の”発展”に焦点をあてた内容でしたが、この『文明崩壊』はタイトルのとおり人間社会(文明)の”崩壊”という正反対の視点から、私たち現代人が学ぶべきことを示しています。
過去には危機に面して崩壊した社会もあれば、しなかった社会もあり、著者のダイアモンドさんはそういった過去の崩壊(と存続)の事例から、現実的な教訓を引き出して行きます。
イースター島、南東ポリネシアの島々、アナサジ族、マヤ、グリーンランドのノルウェー人入植者など、人間社会がことごとく崩壊の轍を踏む過程を読んでいくうちに、身につまされる思いがするのは私だけではないと思います・・・。
前回に続いておすすめの一冊です。(かなりの長編ですが・・・)
そして、この本の中で崩壊の危機に面しながらも社会を存続させることに成功した事例として、江戸時代の日本が登場します。
江戸時代の日本では森林乱伐が進んだことで、連鎖的に土壌浸食、低地の洪水、作物の生産量の減少などを引き起こし、社会の存続の危機に瀕していたそうです。(この本を読むまで知りませんでした)
その後、徳川幕府の主導により危機を回避していく過程が記されていて、日本人の私としては一安心です。
この『文明崩壊』の巻末にはおびただしい量の参考文献が挙げてあって、江戸時代の森林政策については、Conrad Totman の The Green Archipelago : Forestry in Preindustrial Japan という本などを参考にしたと書いてあります。
で、この本、和訳がありました。『日本人はどのように森をつくってきたのか』
(原題と邦題がかなり違います・・・。直訳すると、『緑の列島:工業化以前の日本の森林史』ですね。)
というわけで次はこの本を読んで、工業化以前の日本の森林史について学んでみようと思います。
それでは、また。
投稿者:圓佛 明